『イシューからはじめよ - 知的生産シンプルな本質』 安宅和人 要約まとめ

ビジネス・経済

どうも、たけを(@takewo88_books)です!

今回ご紹介するのは、問題解決やロジカルシンキングの分野では教科書的な名著である『イシューからはじめよ』です。

圧倒的に生産性が高い人には共通点があります。

それは、「一つひとつのスピードが速い」というわけではありません。

解くべき問題を「見極めている」のです。


本書では、そんな生産性を上げるための「知的生産の本質」を理解することができます。

特に社会人であれば、早いうちに読むべき一冊です。

💡こんな人にオススメ

・短時間で生産性の高い仕事をしたい
・問題解決に携わっている
・研究分野で活動している

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・「知的生産」の本質

生産性の高い仕事をしたいと考える際には、まず「生産性」とは何かについて考える必要があります。

生産性とは、「どれだけのインプット(時間・労力)で、どれだけのアウトプット(成果)を生み出すことができるか」ということです。

「時間労働」に対して対価を得るアルバイトとは異なり、ビジネスパーソンである限り、この「アウトプット」を意識しなければなりません。

ではアウトプットは多ければ良いのかというと、そうでありません。

「良いアウトプット=価値のある仕事」を定義する際に出てくるのが、本書のタイトルにもなっている「イシュー」という考え方です。

「イシュー度」とは、「自分がおかれている局面で、この問題に答えを出す必要性の高さ」です。

「解の質」とは、「そのイシューに対して、どれだけ明確に答えを出せているか」となります。

本当に価値のある仕事とは、この「イシュー度」と「解の質」が共に高いものを指します。

世の中にある100ある問題の中で、その局面で本当に答えを出すべき問題は1つか2つ程度です。

いくら解の質が高くても、イシュー度が低ければ、その仕事は何の価値も持たないことになります。

イシュー度の低い問題をどれだけたくさんこなして解の質を上げたとしても、それは価値のある仕事にはつながりません。

正しくは、まずイシューを徹底的に見極めた上で、解の質を磨き上げることです。

生産性が高い人は共通して、問題を解き始める前にこの「イシュー」を見極め、やるべき仕事を限りなく少なくしているというわけです。

・イシューを見極める

・仮説を立てる

実際にイシューを見極める際に最も重要なポイントは
「強引にでも仮説を立ててみる」ということです。

「こんな感じの事を決めよう」というざっくりしたテーマ設定ではなく、
この初めの段階でより具体的な仮説を立てられるかどうかで、結果的には時間短縮につながります。

理由は3つ。

仮説を立てるメリット

①答えを出し得るイシューになる

②必要な情報、分析すべきことがわかる

③分析結果の解釈が明確になる

①答えを出し得るイシューになる
例えば「○○の市場はこの先どうなるか」という設問では、何に答えを出すべきかわかりません。
これを「○○の市場は技術革新により拡大するのではないか」という仮説を立てることで、明確に答えを出せるようなります。


②必要な情報、分析すべきことがわかる
先ほどの例でいうと、仮説を立てることで初めて、技術革新の分野やそのニーズの情報を分析すれば良いことがわかります。
「市場はどうなるか」だけでは、対象が広すぎて集める情報を見極めることができません。


③分析結果の解釈が明確になる
仮説がないままに分析を進めてしまうと、出てきた結果が十分なのかどうかがわかりません。時間と労力だけがかかり、明確な答えに辿り着くことができないのです。

・良いイシューの3つの条件

良いイシューには3つの条件があります。

良いイシューとは

①本質的な選択肢である

②深い仮説がある

③答えを出すことができる

①本質的な選択肢である
出てきた答えによって、今後の検討方向性に大きく影響が出るものです。
例えば、「売り上げが伸びない」という問題では、「商品に魅力がない」のか、「商品は優れているが販促に問題がある」のかによって、取るべき対策は大きく異なります。


②深い仮説がある
良いイシューには決まって大きなインパクトがあるものです。
インパクトを持つ深い仮説には次の2通りがあります。
 ⅰ)常識の否定
     ― 天動説と地動説のようなかつての常識を大きく覆すもの
 ⅱ)新しい構造
     ― 無関係だと思われていたものに、新たな関連性や共通点を示すもの


③答えを出すことができる
①②をクリアしている一方で、既存の手法や現在のテクノロジーでは答えを出し得ない問題というのも、実は多く存在します。
「答えを出せる」ということが、簡単なようで実は最も重要な条件となのです。

・イシューを特定するためのアプローチ

最後に、実際にイシューを特定するための具体的なアプローチをいくつかご紹介します。

イシュー特定のアプローチ

①変数を削る

②最終形からたどる

③なぜ?を繰り返す

④極端な事例を考える

①変数を削る
関連する要素が多すぎてイシューが特定できない場合、変数を削っていくと具体的なイシューが見えてきます。
 (例)SNSが消費行動に影響を与えている
    ⇒instagramが20代女性の飲食における消費行動に影響を与えている


②最終形からたどる
一定期間後のあるべき理想像から現状とのギャップを洗い出すことで、解決すべきイシューが見えてきます。
 (例)中長期経営計画を立てる
    ⇒5年後の事業範囲・市場シェア・活かすべき強み・従業員構成など


③なぜ?を繰り返す
一見すると当たり前のことしかイシューに上がらない場合、なぜ?を繰り返すことで、よりイシューが磨かれていきます。
 (例)地球温暖化は間違いである
     なぜ⇒地域によって偏りがあるから
      なぜ⇒北半球だけで起きているから
       なぜ⇒ヨーロッパの情報に偏って分析が為されているから
        なぜ⇒データ収集と分析手法に問題があるから


④極端な事例を考える
イシューを構成する要素が多い場合、それぞれが与える影響を見極めるために、極端な数字を当てはめてみると効果的です。
 (例)収益構造が「売上」「会員数」「広告収入」の場合
    ⇒商品売り上げが5倍になったら?
     会員数が10分の1になったら?
     広告収入がなくなったら?



ここまで明確にイシューを見極めてから、やっと問題に取り掛かることで、生産性を一気に高めることができます。

やるべきことをスリムにしておき、明確なゴールを設定することで、途中で方向性を見失うことを防ぐことができるのです。

・『イシューからはじめよ』 まとめ

問題を解き始める前に、まず答えを出すべき問題を見極める。

その難しさと、だからこその重要さを本書は教えてくれます。

ボクも、必死でプレゼン資料を作り込んだものの、そもそもクライアントが望んでいたのは全く別の方向性だった、なんてこともありました。。。

本書を読み込み、実践の中で身に着けることができれば間違いなく問題解決のスキルは格段にレベルアップすることと思います。

「努力」ではなく、「結果」で評価を得ることを目指す方であれば
ぜひ読んでみて頂きたいと思います。

では、また!

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