どうも、たけを(@takewo88_books)です!
❝ひな壇芸人をやめる❞
人気絶頂の最中に放ったこの一言で、忽然とテレビの世界から姿を消したお笑い芸人キングコング西野亮廣。
彼の現在の活動をみなさんはご存じでしょうか。
絵本『えんとつ町のプペル』累計発行部数40万部達成。
クラウドファンディングでの合計調達額2億円突破。(国内歴代最高)
オンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』会員数56,000人。(国内最大)
「エンターテインメントでディズニーを超える」と豪語する彼の、圧倒的な論理に裏打ちされた思考と、それを形にする驚異的な行動力のエッセンスがギュッと詰まった一冊です。
・「お金」とは

人が挑戦をするときに必ずついてくる問題が「お金」です。
どんな素晴らしいコンセプトを持った飲食店でも家賃を払えなくなった瞬間に、その挑戦は強制的に終了させられてしまいます。
挑戦を続けるためにはこの「お金」の問題から逃げてはいけません。
ここで、私たちがよく陥ってしまう「お金」への誤解を3つ紹介します。
⇒◯ お金は他者に提供した「価値」の対価
2.✖ お金稼ぎは他者の富を奪う行為
⇒◯ お金稼ぎはみんなの富を増やす行為
3.✖ 本業=メイン収入 / 副業=副収入
⇒◯ 本業=本当にしたい仕事 / 副業=メイン収入
ます一つ目の「お金」という対価について。
よく「仕事量と給料が見合ってない!」ということを耳にしますよね。
これはお金が労働の対価であるという考え方です。
ですが、本来お金とは「価値」に対する対価なのです。
例えば、満腹の人と空腹の人、2人におむすびを売るとします。
この時、同じ労働量で握ったおむすびでも空腹の人には高く売れるでしょう。
これは、空腹の人の方が、同じおむすびに対して高い価値を感じるからです。
つまり、対価としてお金をもらうためには、我慢して長時間働かなければならないという考えを捨てなければいけません。
たった一つのアイデアで多くの人に価値を与えられるのなら、労働量が少なくても対価は支払われるべきですし、このように柔軟に考えなければいけません。
次にお金稼ぎについて。
私たちの多くが、お金稼ぎは富を奪う行為であり、金儲けは悪だと考えてしまいます。
しかし、お金稼ぎとは、全体の富を増やす行為です。

仮に、世界には10,000円を持つAと、1円も持たないBだけだとします。
このとき、1円も持たないBが10,000円を稼ぐために服を作ったとします。
Bがこの服をAに10,000円で売ると、どうでしょうか。
世界には10,000円の価値がある服を持つAと、Aから受け取った10,000円を持つBが存在することになり、世界の富は20,000円に増えたのです。
つまり、社会に対して価値を提供しお金を稼ぐという行為は、社会全体の富を増やす行為なのです。
最後に、「本業」と「副業」について。
本業がメイン収入で、副業は副収入というのが一般的なイメージです。
しかし著者の考える職業観は異なります。
ここで、著者の職業モデルを見てみましょう。

彼は作家として執筆活動をしていますが、その印税のすべてが新聞の一面を個人で買ったり、駅広告を個人で買ったりと、新作の広告宣伝費に使われています。
これは「西野亮廣」という人間を広く世の中に知ってもらうためです。
そしてその中からファンになった人がオンラインサロンに入会します。
オンラインサロンは月額1,000円で会員が5万人。
単純計算で年間6億円の売り上げです。
ここが彼のメイン収入源になります。
しかし、彼の本業はサロン運営ではありません。
あくまで目的は「エンターテインメント」を世界に届けること。
彼はこの6億円の売り上げをエンターテインメントの製作費に充てることができるのです。実際に美術館を建てたり、子供に絵本を配ったり、個展を開いたり、様々な活動にこの資金が使われています。
こんな人が現れると、エンタメや執筆活動一本でやってる人はたまったもんじゃありません。
彼らが生活費にしているギャラや印税も、著者はすべて製作費や宣伝費に充てているのですから、勝ち目がないのです。
つまり、私たちは本当にやりたい仕事=本業とは別に、メインの収入源を作る必要があるのです。
・「広告」とは

次に、挑戦する人が避けては通れない問題が「広告」についての問題です。
いくら腕の立つ美容師も、人が集まらなければその挑戦は強制終了です。
著者が広告活動をする上で、重要視しているのが、
「ニュースを出すな、ニュースになれ」という考えです。
「本を出版しました!買ってください!」と言っても人は動きません。
そこで著者は、先に挙げたように新聞の一面や駅前広告を「西野亮廣」個人で購入することで話題を生み、自分自身がニュースになったのです。
一億総発信者時代とまで言われる、SNSが発達した現代では、作り手が出す広告よりも、情報の受け手の発信力の方が効果があります。
そして、この情報の受け手の力を最大に利用する方法がもう一つあります。
それは「みんなでつくりあげる」ということです。
例えば、友人と2人で作った本は、自分と友人の少なくとも2人は購入します。
これを1,000人、10,000人で同じことをするのです。
著者は新しいプロジェクトを進める際、そのコンセプトや宣伝方法をブログ、SNSで読者に相談します。
ここでアドバイスをした人は間違いなくお客さん第一号になります。
自分が関わったプロジェクトを見届けずにはいられなくなるのです。
「広告」について最後に意識しなければならないのは、
「人は確認作業でしか動かない」ということです。
教科書で「モナリザ」を見たから、ルーブル美術館で本物の「モナリザ」を見たくなるし、インスタで綺麗なホテルを見たから旅行先にハワイを選ぶ。
見たことの無いものに対しては、お金を払わないのです。
つまり私たちはネタバレがあるものにしか足を運びません。
集客を考えるのなら、積極的にネタバレしなくはならないのです。
・「ファン」とは

インターネットの発達で、あらゆる情報が出回るようになった現代では、もはや「秘伝のタレ」は通用しません。
それが美味しければ美味しいほど、そのタレは研究しつくされ、情報が出回るようになります。
つまり、内容では周りと差を付けられなくなったのです。
では、お客さんは何を基準に判断するのか。
それは、「何が食べられるか」ではなく、「誰がつくったか」。
「機能検索」の時代は終わり、「人検索」の時代がやってきたのです。
そのためにも、私たちは自分をブランド化し、ファンを作らなければいけません。
そのために必要なのは「物語」を売るという意識です。
人は、「完璧な姿」よりも、勝ちがあり、負けがあり、リベンジがある「挑戦する姿」に惹かれるものです。
完成度よりも伸び率に人は感動します。
大きな失敗も次に成功したときの伸び率につながるのです。
・『新・魔法のコンパス』 まとめ

「ヨット理論」というものがあります。
ヨットは追い風だと前に進むし、向かい風も上手く利用して帆の角度を変えれば前に進みます。
本当に避けなければいけないのは「無風」です。
一見定位置にいるようで、実はジリジリ後退しています。
それは周りが進んでいるから。
今向かい風が吹いていても、無風よりはよっぽどましなのだと考えると気が楽になります。
次の動画は、本書にも特別付録として全文掲載されている、近畿大学卒業式での著者のスピーチです。
❝この世界に失敗なんて存在しない❞
ボクはこの一冊で、キングコング西野亮廣の大ファンになりました。
彼のつくる、「ディズニーを超える」エンターテインメントの世界を見てみたいと、本気で思わされます。
本書は「お金」「広告」「ファン」を考える上で、マーケティングの教科書となる一方で、夢を追いかけるすべての人への応援歌であると言えます。
ぜひ読んでみてください。感動します。
では、また!
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